「黄金背景 卵黄テンペラ(Egg Tempera)」

黄金背景テンペラ

背景や装飾に黄金の輝きの金箔を使い順欄豪華な作風を作り出してゆきます。
この技法は、14世紀イタリアのシエナ派を中心として当時最も栄えた技法です。
イタリアにおいては、テンペラ画は油彩画にその座をゆずるまでフレスコと並んで絵画の中心的な存在でした。
金地を背景にして描かれた祭壇画はさまざまな技法が駆使されて華麗で劇的な宗教効果を演出しています。
彩色に使われている絵具がテンペラ絵具です。

テンペラ christ

 

 

 テンペラの種類:

■ Egg Tempera(卵黄テンペラ)

鶏卵の卵黄に酢を少量加え、顔料と練り合わせてつくったもの。
特徴は経年変化に強く、堅牢で明るい色彩効果に表現力があり、それが大きな魅力となっています。

■ Cazein Tempera(カゼインテンペラ)

かつてはチーズからも作られたと言われていますが、現在では牛乳から採り出したミルクカゼインを使用して描く
膠と比較するとより耐水性があり、防湿、防カビ虫害にも強く、卵黄と比べると筆触がよりサラサラした感じである。

■ Tempera Grassa(テンペラグラッサ)

おそらく、フランドルから発達した油がアルプスを越えてイタリアのへ広がっていく中でテンペラ画に混入する方法が考えられて発生してきた技法です。
15世紀のルネッサンス期になると、卵黄に油性分を加え、絵具の伸びを改善する処方が開発されてきます。
ルネッサンスのより自然主義的な写実表現にマッチした絵具に改良されます。
油性分を調節する(7~15ml前後)ことで顔料の発色を明るくすることも濡れ色にすることもできるので、作家の表現に合わせて幅広い効果が得られます。
特にボッティッチェリは卵黄テンペラから後期の作品はこのテンペラ・グラッサに移行しています。

■ Tempera Mista(テンペラミスタ)

もともと、テンペラで描かれていた絵画にファン・アイクの頃より仕上げに油を載せる方法が発見されて、これが油彩画の発端といわれています。
基本的にはテンペラ画による下絵が施されて、その上に油絵具を載せる形ですが、テンペラによる下絵に油絵具のグラッシを載せ、またテンペラ絵具による描起こしを行い、さらに油絵具のグラッシを重ねると言う工程を数度重ねて、テンペラと油絵具特長をさらに生かした幅の広い表現を可能にしました。